2016-12-05 第192回国会 参議院 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第12号
○参考人(中曽宏君) 福井総裁の当時の講演などを見ますと、基本的には同等のことを申し上げているというふうに認識をしてございます。
○参考人(中曽宏君) 福井総裁の当時の講演などを見ますと、基本的には同等のことを申し上げているというふうに認識をしてございます。
○参考人(中曽宏君) 一般論として申し上げますと、経済のグローバル化は、世界的な供給力の増加に伴いまして、輸入物価の下落を通じまして物価下落要因となり得ます。この点は先生の御指摘のとおりだと思います。一方で、例えばグローバル化の進展に伴いまして新興国などの成長力が高まりますれば、これは世界的な需要を増加させる要因になります。このことは、グローバル化された経済におきましては、国内の需給を改善させて物価上昇要因
○参考人(中曽宏君) 今回の難しさというのは、これ世界的にもそうなのですけれども、特に日本は先行してそういう問題に直面したと思いますけれども、銀行危機、そしてデフレ、そして人口問題ですね、その下で趨勢的に潜在成長率が下がってきた中、その中でどうやって一定程度の経済成長を促してインフレ率を上げていくか、そういう極めて難しい問題を他の先進諸国に比べても先行して直面をしているというのが、現在の大きな、一九四五年当時
○参考人(中曽宏君) これは先ほど申し上げましたように、日本の経済というのは、九〇年代の銀行危機、そしてデフレの危機を通しまして大変難しい状況にありますので、私どもが今やっている金融政策というのは過去には類例のない極めて大規模な金融緩和でございまして、日本銀行としては、物価安定の目標をできるだけ早期に実現することを目指して強力な金融緩和を推進した結果としてこの規模の拡大というのが生じていると、このように
○参考人(中曽宏君) 日本銀行の金融システム安定化の機能についての御質問であるというふうに思います。 金融システムについてでありますけれども、実際今から十九年前、一九九七年十一月でありますけれども、一月の間に四つの金融機関が連続破綻をいたしました。日本の金融システムが最もメルトダウンに近いときとして、当時その危機対応に従事していた者としても記憶に鮮明に残っているところでございます。現在の日本銀行の
○中曽参考人 御指摘のように、三月の決定会合におきましては、マイナス金利つきの量的・質的金融緩和の効果につきまして、何人かの委員から負の面の議論がなされたのはそのとおりでありますが、ただ、一方で、その効果につきましても、イールドカーブの起点を引き下げて、大規模な長期国債買い入れとあわせて金利全般に強い下押し圧力を加える、そういう狙いどおりの効果が出ているのではないかとか、市場が落ちつきを取り戻すにつれて
○中曽参考人 先般の決定会合の背景、現状維持の背景でございますけれども、まず、一月の決定会合におきましてどういう決定をしたかということを振り返っておきたいんでございますけれども、当時、一月の時点ですね、年初明け、金融市場が世界的に不安定なもとで、企業コンフィデンスの改善ですとか、あるいは人々のデフレマインドの転換がおくれる、そういうリスクを認識したところでございますので、これをいわば未然に回避する、
○中曽参考人 お答え申し上げます。 まず、私どものこれまでの履歴の取り扱いでございますけれども、公表している役員の履歴につきましては、表記の統一も図りつつ、本人の申告に基づいて主要な経歴を記載しているところでございます。 こうした役員の経歴におきましては、私どもは、本人が博士号を取得している場合にはPhDないし経済学博士取得というように明示をしている一方、単位取得退学の場合を含めまして、博士課程修了
○中曽参考人 まず、我が国経済の全体評価でございますけれども、これは、緩やかな回復を続けておりまして、先行きも、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けていくというふうに見てございます。物価面でも、二%の物価安定目標の実現に向けた道筋を順調にたどっていると判断をしております。 したがいまして、金融政策の運営につきましては、現在の量的・質的金融緩和
○中曽参考人 まず、国際金融資本市場全体の動きでございますけれども、私ども、新興国を中心に神経質な動きが見られておりますけれども、海外経済全体として見れば、先生が今おっしゃったように、ひところに比べれば下振れリスクの低下した状態にあるというふうに見てございます。 欧州と新興諸国についてのお話がありました。 欧州では、債務問題の帰趨など、なお注意を要しますけれども、このところGDPが三四半期連続で
○参考人(中曽宏君) 我が国経済についての御質問でございます。 我が国経済につきましては、私ども、緩やかな回復を続けており、先行きも消費税率引上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けていくというふうに見てございます。 そして、物価面でございますけれども、十二月の消費者物価の前年比、これは生鮮食品を除くベースでございますが、プラスの一・三%というふうになっておりまして
○参考人(中曽宏君) 新興国の金融市場でございますけれども、昨年の十二月にFRBが資産買入れ減額、これはテーパリングと言っておりますけれども、この開始を決定した後も総じて落ち着いていたんでございますけれども、今年に入ってから、いわゆる経常収支あるいは財政収支といった面で構造的に脆弱性を抱えるような一部の新興国におきまして通貨が大きく下落するなど、神経質な動きになってございます。それの影響は御指摘のとおりでございますが
○中曽参考人 デフレ克服という点では、いまだに、除く生鮮食品ベースでのCPIはゼロ近傍で推移しておりますので、この点についてはいまだに結果が出ていない、この点は重く受けとめる必要があるというふうに思っております。 二%の物価安定の目標をできるだけ早期に達成するために、組織力を結集しまして、日本銀行が持っている全ての機能を動員しまして、前例にとらわれることなく、新しい施策を考え、実施していきたいというふうに
○参考人(中曽宏君) 例えばということになると思います。例えば、包括緩和、これは国債を中心に買入れをしたものでございますけれども、例えばその量、もう少し拡大する必要があったのではないか、あるいはそのタイミングをどうするべきであったのか、そういった点もあろうと思います。それから、緩和的なその環境が実体経済に最終的につながっていくように、貸出増加額支援制度ないし成長基盤支援融資制度、これを導入したわけでありますけれども
○参考人(中曽宏君) 白川総裁の下では幾つかの政策をやってまいりました。一つは、リーマンの後の金融危機対応に現れておりますような、いわゆる流動性の供給を通して危機対応をするということ。それから、金融政策の面では、いわゆる包括緩和ということで、これは長めの長期金利あるいはそのプレミアムを縮小することによって景気を浮揚していこうという、そういう目的でやってまいりました。それから、銀行の貸出しを支援する貸出増加額支援
○参考人(中曽宏君) 中曽でございます。 本日は、所信を述べる機会を賜り、大変光栄に存じます。 私は、一九七八年に日本銀行に入行し、以来三十五年間勤務してまいりました。その間、信用機構局信用機構課長、金融市場局長など、金融システムや金融市場に関する実務に携わりました。二〇〇八年からは理事として主に国際分野を担当してきました。この間、二〇〇六年からはBIS、国際決済銀行の市場委員会の議長として国際会議
○中曽参考人 これは合議制でございまして、経済の実情、経済、物価の見通しなどをよく踏まえながら議論をしておりますし、そういったこれまでの議論というのは、今後とも踏襲をしていくことになるというふうに思います。 いずれにしても、組織運営という点では、私に期待されているのは、委員御指摘のとおり、日本銀行に長く身を置いてございますので、そういった経験を十分に生かして、業務、組織運営に関して、日本銀行法に定
○中曽参考人 お答え申し上げます。 まず、デフレは貨幣現象かという点でございますが、そういう学説、学術上の考え方があることは承知しております。 デフレの克服に向けまして金融政策が果たすべき役割は大変重要だというふうに思っております。我々としては、二%の物価安定目標に向けて全力を尽くしてまいりたいというふうに思っています。 その上で、物価だけではなくて、経済の成長と物価上昇の好循環、効率をつくり
○中曽参考人 中曽でございます。 本日は、所信を述べる機会を賜り、大変光栄に存じます。 私は、一九七八年、日本銀行に入行し、以来、三十五年間勤務してまいりました。その間に、信用機構局信用機構課長、金融市場局長など、金融システムや金融市場に関する実務に携わりました。 二〇〇八年からは、理事として、主に国際分野を担当してまいりました。 この間、二〇〇六年からは、BIS、国際決済銀行の市場委員会の
○参考人(中曽宏君) これは、相手国のその中央銀行のやっぱり立場を踏まえざるを得ませんけれども、今御指摘のあったような国、一般的に言えば貿易とか投資の相手国として日系企業、邦銀が進出して活発な経済活動を展開しているという先については、私どもとしても優先的に対応、検討を進めてまいりたいと思っております。
○参考人(中曽宏君) この制度は、日本の国債を担保といたしました現地通貨建ての資金繰りの言わば安全弁を提供することを通じまして、海外に進出する邦銀ですとか日系企業の資金繰りに安心感を与える効果がございます。その意味で、邦銀とか日系企業の海外事業展開の一助となる、そういう役割を担っているというふうに思います。 御質問の点でございますが、現在、幾つかの海外中央銀行と話を進めているところでございます。ただ
○中曽参考人 はい。 長期金利はいろいろな要素で変動いたします。基本的には、経済成長率、物価上昇率、それからプレミアムですね。これが一つ問題だと思っておりまして、やはり国債保有に伴うリスクプレミアム、これが高まってしまいますと、長期金利が上がってしまいます。 御指摘のように日本銀行が国債を直接引き受けてしまいますと、要すれば、財政赤字を日本銀行が直接ファイナンスするのかなというような市場の疑念を
○中曽参考人 お答え申し上げます。 まず、デフレに関する認識でございますけれども、日本銀行といたしましても、日本経済がデフレからなるべく早く脱却しまして、物価安定のもとで持続的な成長経路に復していく、これは極めて大きな課題であるということは、私どもも全くそのとおりだというふうに認識をしております。 それから、GDPギャップ、需給ギャップの大きさでございますけれども、確かに日本の場合は大きい。これをどう
○参考人(中曽宏君) 短観などにつきましては、中小企業も対象にしてございます。対象企業については、これは定期的に見直すような形にしております。なるべく実態が把握できるような形に定期的に見直しをしております。 それから、個人の方々については、先ほど申し上げましたようなアンケート調査などを行っておりますほか、支店は何人かの調査職員を配備してございますので、こういった調査機能を生かしながら、なるべく幅広
○参考人(中曽宏君) 企業の業況感についてのお尋ねというふうに思います。 業況感なんですが、製造業の大企業に加えまして、非製造業あるいは中小企業にも広がりを伴いながら引き続き改善はしているというふうに思っております。 もっとも、御指摘のように、中小企業では相対的に改善のペースが遅くて、あるいは水準も低めにとどまっておりまして、業種や企業規模などによって改善の度合いに違いが残っているというふうに認識
○中曽参考人 お答え申し上げます。 まず申し上げておきたい点は、デフレからの脱却、これは大変重要な課題だと思っています。物価安定のもとで持続的な経済成長に一刻も早く復帰させる、これが重要な課題であるというのは我々も全く同じ認識をしてございます。そのために、我々としても粘り強く貢献していきたいというふうに思っています。 それを申し上げた上で、これまで何をやってきたかという御質問でございますが、私ども
○参考人(中曽宏君) 今申し上げましたのは長期国債残高でございまして、このほかにいわゆる短期国債が二十一・八兆円ございます。
○参考人(中曽宏君) お答え申し上げます。 現在の長期国債の保有残高、これは三月十日時点になりますけれども、五十二兆円でございます。
○参考人(中曽宏君) お答えいたします。 まず、日本銀行券の発行高と貨幣流通高を合計した通貨流通残高は、二〇〇九年十二月中の平均的な残高で、御指摘ございましたように八十三兆円でございます。 また、本日公表された資金循環統計によりますれば、国内部門と海外部門を合わせました金融資産残高の総額は、二〇〇九年十二月末時点で五千八百三十五兆円でございます。
○参考人(中曽宏君) 乗数効果、一概にどの程度ということはなかなか言い難いところがあると思いますけれども、どういう分野に投入をされるか、それによってその投資効果、乗数効果も違ってくるとは思います。
○参考人(中曽宏君) お答え申し上げます。 今、さくらレポートを御紹介いただきましたけれども、私ども日本銀行では、全国三十二の支店などを活用しながら地域経済の把握に努めてございまして、その成果がこのさくらレポートを通じて公表してございます。 今年の一月に公表した一番最近のさくらレポートの中身でございますけれども、すべての地域において景気は持ち直していると一応判断をしてございます。 ただ、地域ごとの
○参考人(中曽宏君) お答えいたします。 長期金利、いろんな期間がございます。代表的なのが十年物の金利と言われているものでございますが、この数字を見ますと、大体一・三%前後で現在推移してございます。
○参考人(中曽宏君) お答え申し上げます。 現在、日本銀行が保有してございます長期国債の残高は四十三兆円でございます。一方、銀行券の発行残高は七十七兆円でございます。したがいまして、両者の乖離は三十四兆円となってございます。 これに対しまして、現在、国債買入れのペースでございますが、年二十一・六兆円、これは増額後の金額でございますが、二十一・六兆円に上ってございます。この規模で長期国債の買入れを
○中曽参考人 お答え申し上げます。 貨幣乗数あるいは信用乗数とは、先生御指摘のとおり、マネーストックをマネタリーベースで割って求めた指標でございます。九〇年代以降、分子でございますマネーストックが比較的安定的な伸びを続けておりました一方、分母のマネタリーベース、特にその構成要素でございます日本銀行当座預金残高が大きく変動したため、結果的に振れの大きな展開をたどってきてございます。 すなわち、配付資料
○参考人(中曽宏君) 中央銀行界におきましても、今回の特にリーマン・ブラザーズの破綻の後は、各国の中央銀行、大変市場の情報ですとかあるいは流動性供給の在り方について密接に協議、意見交換をしてきたところでございます。 やはりそういうその場に経験を私自身してみますと、大事なことは、そういった国際会議の場あるいは国際金融交渉の場で主導的な役割を果たしていくためには、これ一朝一夕にはなかなかいかない、つまり
○参考人(中曽宏君) 今、私ども、政策委員会、定期的に開いておりますが、この中で、三か月に一遍ずつその展望レポートに基づく見通しにつきまして、中間評価というふうに申しておりますけれども、定期的に見直し、点検、中間的な評価をするような形で、景気情勢については適宜動向をフォローするようにさせていただいております。
○参考人(中曽宏君) 最初に景気の現状についての認識をお話しさせていただいた上で、四月の展望レポートについて触れさせていただきたいと思います。 我が国の景気でございますけれども、大幅に悪化しておりまして、当面悪化を続ける可能性が強いと判断してございます。すなわち、海外経済の悪化によりまして輸出が大幅に減少していることに加えまして、企業収益や家計の雇用・所得環境が悪化する中で、消費あるいは設備投資といった
○参考人(中曽宏君) お答え申し上げます。 FEDとの通貨スワップの金額でございますが、これはほかの主要国の中央銀行、例えばECBですとかバンク・オブ・イングランドですとかと同様に、現在、金額の制限はございません。つまり、必要なドルを必要なだけ供給するという仕組みになっております。その仕組みの下で、現在、ドル供給オペの残高でございますけれども、今年の二月末時点で合計七百億ドルでございます。 そして
○中曽参考人 中小企業向けの貸し出し拡大策として、日本銀行としてどのような策を講じることができるのか、こういう御質問というふうに思います。 去年の秋のリーマン・ブラザーズの破綻を契機に、金融の環境は大変急速に悪化してございます。中小企業を含みます企業の資金調達環境は、大きくこの中で悪化してございます。こうしたもとで、日本銀行が現在やっております措置でございますが、大きく分けて二種類ございます。
○中曽参考人 輸出についての御質問ということでございます。 こちらも、やはり去年の秋のリーマン・ブラザーズの破綻以降、状況が大きく変わってございまして、世界的に実体経済と金融の負の相乗効果が非常に強まる中で、世界経済は大きく落ち込んできてございます。特に輸出という点でございますと、自動車などの耐久消費財、機械類などの資本財に対する支出は大きく抑制されている状況でございまして、こうした製品の輸出比率
○参考人(中曽宏君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、先般、日本銀行は金融機関からの株式買入れを再開いたしましたが、これは四十三条、日本銀行法四十三条の認可を受けて実施しているものでございます。これは、御指摘のとおり、金融機関の株式買入れは金融機関による株式保有リスクの削減努力を支援することになるであろうと、これを通じまして金融システムの安定確保を図るものでございます。 そこで、御質問